最近のノートPCのスペックを見ると、HDDに代わってストレージにSSDを搭載した機種が多くなってきた。外付け記憶装置もHDDからSSDに取って代わりそうな勢いだ。
少し前まで、SSDはHDDに比べて「値段が高い」「記憶容量が少ない」「突然故障する」なんて不安材料が多かったようだけれど、最近は価格もこなれてきて、容量差も縮まってきている。
そんな人気のSSDは、本当にメリットはあるのだろうか? HDDとSSDの特徴を比較して、解説していこう。
HDDと似て非なるSSDとは?
そもそもSSDとは何かというと「Solid State Drive(ソリッド ステート ドライブ)」という記憶装置。HDD(ハード ディスク ドライブ)と同様、データを書き込んだり、読み出したりするものだ。
同じ記憶装置なのにHDDとSSDでは、どのような違いがあるのか、その特徴を詳しく解説していこう。
SSDは起動時間が速い
HDDには「プラッタ」と呼ばれる金属製の円盤が入っていて、これに磁気ヘッドを近づけることでデータの読み書きを行っている。読み書きをする場合、プラッタを高速で回転させたり、磁気ヘッドが目的の記録エリアを探し出さなければならないので、起動するまでに少々時間がかかってしまう。
対するSSDは、USBメモリーと同様に半導体素子メモリーを使った記憶装置。プラッタや磁気ヘッドのような動く部分がないので、データの読み書きが非常に速い。環境にもよるけれど、HDDに比べて10~40%ほど短くなるという。
動作音がなくて静かなSSD
プラッタを回転させたり、磁気ヘッドを動かす必要があるHDDは、起動に時間がかかるだけでなく動作音も大きくなってしまう。ところがプラッタなどの動く部分のないSSDは、動作音は一切なく非常に静かだ。
さらにモーターを動かすHDDに比べて、装置に動く部分のないSSDは消費電力も少ない。一般的なHDDに比べ、SSDの消費電力は半分ですむ。また衝撃が加わると、装置に動く部分のあるHDDは損傷しやすいが、SSDは損傷のリスクも少なくてすむ。
容量と価格ではHDDのほうが上
しかしHDDとSSDの記憶容量を比べてみると、HDDのほうに分がある。HDDなら16TBといった大容量モデルがあるのに対し、SSDの場合は2TB程度。5年ほど前までは大きくても1TBだったことを考えると容量も増えたが、HDDの大容量モデルほどではない。
さらに価格を比べてみると、SSDに比べてHDDのほうが安価。Amazonで調べてみると、4TBのHDDが8,000円前後なのに対し、SSDは2TBで3万円前後。1GBあたりの単価を計算すると、HDDは約2円/GBでSSDは約15円/GBと、コストパフォーマンスはHDDのほうが高い。
SSDは意外と壊れない
かつてSSDは、突然壊れるなどの信頼性に欠ける面もあったが、近年は非常に壊れにくくなっていて、HDDよりも寿命が長いというデータもある。
HDDの寿命は約1万時間といわれていて、1日8時間ほど使った場合、3~4年が寿命とされている。一方SSDは、書き込み可能量(TBW)というものがあり、容量やメーカーによっても異なるけれど、普通の使い方をして入れば7~8年、HDDの2倍以上は長持ちするともいわれている。
メリットとデメリットを考えて
このように、SSDとHDDのメリットとデメリットがある。
SSD | HDD | |
---|---|---|
起動時間 | 速い | 遅い |
動作音 | なし | あり |
消費電力 | 低い | 高い |
耐衝撃性 | 高い | 低い |
記憶容量 | 小さい | 大きい |
起動の速さや静かさ、消費電力が低いことによるバッテリーの持ちなどを考えるとSSD搭載のPCがいいけれど、高解像度の画像や動画を頻繁に保存するなら、大きな容量があるHDDがほしいところ。
SSDとHDDを両方搭載したPCもあるので、使い方によってはそんなモデルを選んでみるといいだろう。
また、PCの動きが遅くて悩んでいるという人は、HDDからSSDに交換すると格段に速くなるので、載せ替えを考えてもいいだろう。
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