シェアホテルってなに? 実際に泊まってみてわかった、その魅力とは

「シェアホテル」という新しいホテルのスタイルをご存知でしょうか? 他のホテルとどう違うの? どんな良さがあるの? といった疑問に答えるべく、実際に宿泊したライターが解説します。

最近ひそかに増え始めている「シェアホテル」。
ひとことで言うと、シェアハウスのホテル版、と言いたいところなのですが、先日泊まってみたところ、どうやらこの一言では片付きそうにないことがわかりました。
普通のホテルでは得られない体験ができ、ぜひまた行きたいと思わせてくれるホテルだったので、今回はこのシェアホテルの魅力について実体験も交えながらご紹介したいと思います。

シェアホテルってなに?普通のホテルとどう違うの?

シェアホテルの一般的な特徴を挙げてみると

  1. ドミトリーや素泊まりなどのシンプルな宿泊スタイルがある
  2. 料金が安く、連泊に向いている(一泊、3000〜4000円のプランも)
  3. デザイン性が高く、スタイリッシュである
  4. 共用のキッチンや自転車がある

などがあります。ここまでならまだ想像がつきやすいと思います。

宿泊客のみならず、地元の人にも開かれたホテル

ただ、今回実際に泊まった京都のシェアホテルでは、もうひとつ面白い特徴がありました。
それは
5.地域に開かれた空間を提供している
ということです。
例えば、ホテルにヨガインストラクターを招き、宿泊者も地元住民も一緒に参加できるヨガ教室を開催するなど、地域交流のきっかけを作る空間の提供を行っています。
こうすることで、モノや設備だけでなく「価値観やアイディア」までも「シェア」するというのが、このホテルのユニークな特徴だったのです。
3泊ほどの滞在でしたが、滞在中印象的だったのは、ホテルの入り口前にたくさんのママさん用自転車が並んでいる光景でした。地元の方たちが気軽に出入りでき、まさに地域に開かれたホテルを体現しているようでした。

地方に増えつつあり、その地域ならではの魅力を発信

こうしたシェアホテルはいま、首都圏だけでなく地方に広がりを見せています。
理由のひとつに挙げられるのは、外国人観光客の日本での旅行先が地方へと向き始めていること。
今回筆者が泊まった京都のホテルも、「シェアホテルズ」という冠名で全国5箇所に展開。そのうちの4箇所は、函館・金沢・京都といったエリアです。(※金沢には2箇所)
ホテルごとに独自に作成した周辺ガイドも用意されており、その切り口もまたさまざま。利用者の好みや気分次第で、そのホテルを中心に旅の計画を立てることができます。
ここでいくつかシェアホテルをご紹介します。

京都:RAKURO KYOTO – THE SHARE HOTELS

まずは、筆者が泊まった京都のRAKURO(ラクロ)。洛(らく)と人を結ぶ路として京都の魅力を発信するというコンセプトが名前の由来です。
RAKURO(ラクロ)

函館:HakoBA HAKODATE – THE SHARE HOTELS

続いては、北海道は函館にある「HakoBA(ハコバ)」です。もともとは銀行として建てられた築85年の近代建築をホテルとしてリノベーション。ベイエリアならではの外国文化が溶け込んだ雰囲気を楽しむことができます。
HakoBA(ハコバ)

金沢:HATCHi KANAZAWA – THE SHARE HOTELS

最後は、金沢にあるHATCHi(ハッチ)。全国5箇所に展開するシェアホテルズの第1号店がこのHATCHiです。「北陸ツーリズムの発地」というコンセプトに由来するネーミングで、文字通り北陸での旅を始めるにふさわしいホテルです。
HATCHi(ハッチ)

実際に泊まってみた「シェアホテル」の良かった点は?

ということで、ここからは利用者目線で、このシェアホテルという少し変わった宿泊スタイルの良かった点を挙げていきたいと思います。

小さい子連れに、共用キッチンがありがたい

今回、1歳の息子を連れての初めての本州旅行でした。もちろんまだ離乳食のため、近くのスーパーで食材を買い、おもに朝ごはんは自炊をしました。自宅で与えているのと同じような食事を用意することができ、妻も安心していました。
下手な家庭用キッチンより充実した設備が揃っているので、調理に際して特段困ることはありません。レンジはもちろん、ジューサーなどもありました。聞けば外国人の方はよくジューサーでオリジナルスムージーなどを作っているようです。

キッチンで自然と生まれる交流が楽しい

キッチンは共用なので、しばしば宿泊者と顔を合わすことになります。
シェアホテルは連泊に向いていることもあり、我々が泊まった京都のシェアホテルは日本人より外国人観光客のほうが断然多かったのですが、オープンマインドなその方たちと自然にコミュニケーションが生まれました。
自分のデタラメな英語でも「どこから来たの?」「他には日本のどこに行ったの?」などの会話が通じて嬉しかったり、逆に「月に1回だけ開催されるマーケットが今日あるよ」と京都情報を教えてもらったりもしました。そしてちゃっかり足を運んでみました。

ライブラリールームがゆったりしていて良い

キッチンのとなりには、ライブラリールームがあるのですが、キッチンで作った食事をここで食べることもできます。とても広々しており椅子とテーブルもあるので、部屋で過ごすよりもこのライブラリールームにいるほうが開放的に過ごすことができました。
多数用意されている観光ガイドブックを眺めながら、ゆったりと翌日の旅の予定を立てたりもしました。
なお、宿泊者であれば部屋にある専用マグカップを持ってくることで、無料で自由にコーヒーを飲むこともできます。これもとてもありがたいサービスでした。

ホテル自体が旅の目的になるシェアホテル

ということで「シェアホテル」について述べてきました。
こういったレビューでは、良い点だけでなく悪い点も述べることが人のためになると常日頃思って書いているのですが、今回はどうやっても悪い点が見つかりませんでした。
強いて絞り出すならば、我々が泊まった部屋の作りがやや変則的で、お風呂とトイレに行くのにカードキーを持ってドアの外に出なくては行けなかったことくらい。ただ、これはホテル全体に言えることでなく、この部屋特有の事象なのでデメリットとしてまで挙げるものではありません。
そしてたとえその手間があったとしても、トータルではとても満足な時間を過ごすことができました。実は今回の京都旅行の目的は、「このホテルに泊まってみたい」だったのですが、見事にそれに応えてくれたホテルでした。
気になる方は、BIGLOBE旅行のサイトで「シェアホテル」を検索してみてくださいね。

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うえやま

競馬カメラマンからWEB業界へ異色の転身後、WEB制作に加えて大手メールマガジンやツイッターキャラクターの中の人までこなす。三度の飯より件名を考えるのが好き。