PINコードとパスワードってどう違うの?

スマホを契約したときやアプリへログインする際に使用するPINコードですが、パスワードとは何が違うのでしょう。パスワードよりもシンプルなのに「安全」と言われるのはなぜなの? 普段使っていても意外と知らないPINコードについてご説明します!

さまざまな場面で見かけるPINコードって何?

新しいスマホを契約してSIMカードを挿入したとき。無線LANの設定をするとき。そしてLINEのセキュリティを強化したいときなど、「PINコードを設定してください」と言われた経験はあると思います。
でもこのPINコードって何なのかをご存知ですか?
PINコードのPINとは「Personal Identification Number(個人識別番号)」の略で、機器やサービスの盗難、紛失、第三者による不正利用を防ぐための暗証番号のことです。場合によっては特殊文字や大文字と小文字を含む場合もありますが、基本的には数字4桁で設定します。
でも暗証番号というならパスワードと同じじゃないの? 何が違うの? と思いますよね。そこで今回はPINコードとパスワードの違いについてご説明します。

PINコードとパスワードの違いって?

パスワードはSNSやサイト、アプリへのログインといったものに関連付けられています。
これに対しPINコードはスマホやPCといった端末やSIMカードに関連付けられています。
つまり、パスワードはインターネット上に、PINコードは端末上にそれぞれ格納されている、ということができます。
たまに、PINコードは4桁程度の数字の羅列で、パスワードは英数字の混ざったもの、といった認識をしている人もいますが、定義としてこれは間違いです。
でもこれだけの説明では「だから何?」と思いますよね。
実はこの違いによって安全性に大きな違いが出てくるんです!

パスワードよりもPINコードのほうが安全なの?

普段、SNSやフリーメールなどのネットサービスを使う際に設定するパスワードって最低でも6~8文字ではないでしょうか? しかも数字、大文字、小文字、特殊文字などを使って設定しますよね。
それに比べてPINコードは通常、数字4桁で設定します。ということは、「パスワードよりも安全ではない」ような気がしませんか? 
実際はパスワードよりもPINコードのほうが安全だといわれています。なぜなら前項でご説明したようにPINコードは端末に関連付けられているため、万が一、パスワードだけを盗まれたとしても、その端末がなければ、ログインすることができないからです。
例えばLINEでPINコードを設定していない場合、パスワードを盗まれてしまうと、別の端末から不正ログインされてしまう危険があります。でもPINコードを設定していれば、その端末でなければログインすることはできません。
さらにパスワードはサーバーに転送される際に傍受されたり、サーバーから盗まれたりといったことがあります。でもPINコードは端末に保存されているだけで、どこかに転送されることがありません。なので仮に端末を盗まれたとしても、PINコードを解読される可能性はパスワードより低いんです。

機種やサービスよってはPINをパスコードと呼ぶ場合も

PINコードとパスワードの違いについてご理解いただけたと思います。
でも実はPINコードとパスワードの違いがわかっても、やっぱり勘違いしてしまうケースがあります。それは機種やサービスによってPINコードのことをパスコードと呼ぶ場合があるからです。
代表的なのが、iPhoneを使う際に入力するパスコードです。iOS9以降は6桁の数字を入力してログインしますが、これはいわゆるPINコードです。またいくつかのアプリでもPINコードをパスコード(またはパスワード)と呼んでいるものがありますのでご注意ください。

PINコードの設定でより安全にスマホを使いましょう

スマホの紛失、盗難はもちろん、パスワードの漏洩で個人情報を抜き取られてしまったり、悪用されてしまったりすることは絶対に避けたいですよね。そういった際に役に立つのがPINコードです。
もし、ご自身のスマホやPCでPINコードを設定していない場合は、できるだけ早く設定することをおすすめします。

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川村龍一(かわむらりゅういち)

ネットサービスやツールに関することを中心に色々書いているフリーのライターです。バンドやったり歌詞作ったりもしてます。将来的には子供向けの何かを作ったり書いたりできればいいなと日々を過ごしてます。