【11月の雑学】文化の日、七五三…明日から話せる豆知識

ぐんと寒くなってくる季節、11月がやってきます。収穫に感謝する月でもあり、昔ながらの行事も多いので、雑学をまとめてみました。

暦の上では「秋」から「冬」に変わるこの季節、11月がやってきます。
案外、昔ながらの行事や習慣が多い11月。
今回は、11月の情報や雑学をまとめてみました。

11月の旧名は「◯月」

10月は「神無月」、12月は「師走」と、この二つは覚えている人も多い”メジャー”な旧名といえますが、その間に挟まれた11月の旧名はすぐに思い出せる人が少ない”マイナー”な存在かもしれません。
11月の月名は霜月(しもつき)。
これもほかの月名同様諸説あるのですが、「霜降り月」が転じて「霜月」となったという説がほぼ定説になっているそう。
旧暦の11月は新暦でいう11月末~1月上旬にあたるため、真冬という感じの時期。「霜が降りる月」といわれるのも納得です。
ちなみに、平安時代の歌人、藤原清輔(ふじわらのきよすけ)が『奥儀抄』の中で、「十一月(しもつき)、霜しきりに降るゆえに霜降月(しもふりつき)といふを誤れり」と記していることが根拠となり、この説が有力とされているんだとか。

祝日は二つ

11月の祝日は3日と23日の二日あります。

文化の日って結局何の日?

11月に入ってすぐの祝日が「文化の日」。
その名の通り、文化祭を開催する学校なども多いですよね。
といっても「文化の日」というなんともふわっとした名称、「一体何の日なの?」という方もいるかもしれません。
元々は明治天皇の生誕を祝う日として、「天長節」、その後は「明治節」の名で祝日とされていました。
「文化の日」として交付・施工されたのは1948年。1946年に日本国憲法が公布された日であり、日本国憲法が平和および文化を重んじるということから「自由と平和を愛し、文化をすすめる」日として「文化の日」になりました。
「文化の日」ではなくて「平和の日」でもよかったかもしれませんね~。
「その由来なら憲法記念日なのでは?」という気もしますが、やはりこの日を祝日とするにあたって「憲法記念日」とする考えもあったのだそう。
ですが、1947年に日本国憲法が「施行」された日である5月3日を憲法記念日とする声が多く、11月に3日は文化の日になったのです。

働く人に感謝?農作物に感謝?

もう一つが11月23日「勤労感謝の日」。
戦前は「新嘗祭(にいなめさい)」の名で、農作物の恵みに感謝する日とされていました。
戦後1948年の国民の祝日に関する法律制定の際、農業以外に従事する人たちの勤労も含めて感謝するという考え方から、「勤労感謝の日」と制定されました。
元々の「新嘗祭」が持つ、豊穣に感謝をするという意味とはまた少し違っていますが、現在は幅広く、「働く人」への感謝を感じる日と捉えられているようですね。

昔ながらの行事が多い

七五三はなぜ11月?

子供の成長を感謝する日として全国的に行われている七五三。
男の子は5歳、女の子は3歳と7歳に、元々は数え年で行なうのが正式とされていましたが、現在では満年齢で行なうことが多くなっています。
現在は11月の土日に神社に行ったり、その時期を避けて10月や12月に行う人も多いのですが、そもそもは11月15日。
なぜ11月15日なのかといえばこれには諸説あります。
江戸三代将軍徳川家光の袴着の儀を行なった日という説もあれば、五代将軍綱吉の袴着の儀の日にちとする説も。どちらにしても徳川家の袴着の儀の日が由来になっているという説が有力です。
ではなぜ袴着の儀が11月15日なのか……とさかのぼっていけば、一説には旧暦の11月は収穫の月で縁起が良いのと、「収穫と子供の成長を感謝する」日と考えられたこと。
もう一つ、この日は「鬼宿日(きしゅくにち)」といわれ、お釈迦様が生まれた日であり、最大の吉日といわれているからという説も。
歴史の古い行事なので「諸説ある」ばかりではっきりしたことはわかりませんが、昔の人が子供の成長を感謝する最良の日を選んだということなのでしょう。

11月といえば酉の市の熊手!

11月の昔ながらの行事といえば、もう一つが「酉の市」。
特に関東の方は毎年くまでを買いに行く人も多いですよね。
かつては「酉の祭り」それが転じて「酉待ち」という呼び方もされていましたが、市が立つことから現在は「酉の市」と呼ばれることがほとんどです。

日本武尊を祀り、武運長久、開運のほか商売繁盛の神としても信仰されている鷲神社で主に行なわれるお祭りで、今年一年の無事を感謝するとともに翌年の幸を願います。
「酉(とり)」は「取り」にかけて、商売人にとって縁起のいい言葉であるとされ、商売繁盛を家の中にかきこむものとして「熊手」を売る露店が多く出るようになりました。
現在では、酉の市といえばそんな「開運熊手」を買ってお店の前で盛大に手締めをしてもらうのが名物となっていますね。
大きめの熊手を買うと手締めをしてくれるお店が多いそうですよ。

暦の上では…

最近は気候が様々で、10月から寒~い日があったり、12月でもだいぶ暖かい日があったりしますが、暦の上では11月から「冬」に入ります。
「立冬」は11月7日か8日にあたり、今年2021年は11月7日。
昼夜の長さが等しくなる秋分と、一年で最も昼が短くなる冬至の中間で、この日から立春までが暦の上では「冬」とされているのです。
だいぶ寒くなってきた今日この頃。
もう少し「○○の秋」をいろいろ楽しみつつ、冬への準備もしていきたいですね♪

林さやか

フリーの編集者兼ライター。「本が好き」の一心で編集者になったものの、スポーツ、文学、手芸、東洋医学など興味はとことん「広く浅く」。父親のやっていたパソコン通信から中学生でインターネットにハマった1983年生まれ。