3月2日〜5日に、スペイン・バルセロナで「World Mobile Congress 2015」(以下、MWC)が開催された。MWCは、世界各国の通信事業者やモバイル機器メーカーなどが出展する、世界最大級のモバイル見本市で、これを機にスマートフォンやタブレットの新モデルが発表されるメーカーも多く、一般ユーザーからの関心も高いイベントだ。

今年のMWCで初公開されたスマホの中で、最も注目を集めたのはサムスン電子の最新フラッグシップ「Galaxy S6 edge」だ。ディスプレイの両サイドに曲面を施した斬新なハイエンドモデルで、おそらく日本でもNTTドコモとau(KDDI)から発売されるであろう。また、今回は、ソニーモバイルコミュニケーションズが発表した「Xperia M4 Aqua」のように、ミッドレンジながら高いスペックを備えたモデルが多く出展されたことも特徴だった。ここでは、筆者がMWCを取材してきた中で、「これは日本でSIMフリーで発売されるのでは?」「発売してほしい!」と思ったスマホを紹介していきたいと思う。

サムスン「GALAXY A3」

MWCの前夜に発表した最新モデル「Galaxy S6」と「Galaxy S6 edge」は、メディア向けには実機を試せるハンズオンが開催されたが、一般の入場者向けにはガラスケースでの展示だった。会場で実際に試せる製品として、最も注目を集めていたのは、昨年秋に発表された「GALAXY A」シリーズだ。GALAXY Sシリーズの下位にあたるミッドレンジモデルでスペックは控えめだが、ど、薄型のフルメタルボディという、幅広い層に訴求するデザインが採用。4.5型のQHDディスプレイを搭載する「GALAXY A3」、5型HDの「GALAXY A5」、そして5.5型フルHDの「GALAXY A7」というラインナップを展開している。

日本では、キャリア向けにハイエンドモデルを供給しているサムスン電子だが、そろそろMVNO市場に参入するのでは? という噂は根強くある。今年発売されるとしたら、比較的低価格で販売できるGALAXY Aシリーズの可能性が高く、個人的には「GALAXY A3」が最も有力ではないかと予測している。

コンパクトで片手でも操作しやすい「GALAXY A3」。日本のユーザーにも人気を集めそうな印象を受けた。

正面と背面が同色のフルメタルボディ。このゴールドのほかに、ホワイト、ブラック、シルバー、ピンクがある。

ソニーモバイルコミュニケーションズ「Xperia M4 Aqua」

ソニーモバイルコミュニケーションズは、「スーパーミッドレンジ」と謳って、「Xperia M4 Aqua」を発表した。5型のHDディスプレイ、1.5GHzのオクタコアプロセッサを搭載。メインカメラは1300万画素。水没だけでなく流水にも耐える防水性能を有していることもセールスポイントだ。3キャリアから発売されているXperia Z3に比べると、若干低いスペックだが、ヨーロッパでは299ユーロでの発売を予定しており、非常にコストパフォーマンスが高いモデルと言える。

4月以降、世界80カ国での発売を予定しているが、その中に日本は含まれていないとのこと。しかし、ソニーモバイルは今春からMVNOを提携してXperiaを販売することを予告するなど、SIMフリー市場に積極的に参入する姿勢を見せている。今後日本で展開するラインナップとして、この「Xperia M4 Aqua」が検討される可能性は否定できないだろう。

本体デザインやUIは、従来のXperia Zシリーズを継承している。

背面パネルにはガラスを用い、ミッドレンジとは思えないほど質感の高い仕上がり。

︎LGエレクロニクス「LG Magna」

昨年、SIMフリーで「LG G2 mini」を発売し、UQモバイル専用端末として「LG G3 Beat」も提供しているLGエレクトロニクス。MWCでは、曲面ディスプレイを搭載するハイエンドモデル「LG G Flex 2」を大々的にアピールしていた。これは、昨年、au(KDDI)も発売した「LG G Flex」の後継モデルで、日本で発売されるとすれば、同じくau(KDDI)が取り扱う可能性が高い。

同時に、幅広いユーザー層を対象とするミッドレンジモデルとして、5型ディスプレイの「LG Magna」、4.7型の「LG Sprit」、4.5型の「LG Leon」、4型の「LG Joy」も初公開した。いずれも日本のキャリアでの発売は予定していないそうだが、SIMフリーやMVNO向け端末として発売される可能性は十分にあるだろう。個人的に注目したのは「LG Magna」。5型のHDディスプレイ、1.2GHz(または1.3GHz)のクアッドコアCPU、800万画素カメラなど、バランスの取れた構成で、曲面フォルムの背面パネルには美しいヘアライン処理が施されている。使いやすさだけでなく、デザインも重視する人に適しているモデルと言えよう。

5型ディスプレイながら、狭額縁によって横幅は69.9mmに抑えている。

「LG G2 mini」などと同様に、電源ボタンと音量調節キーは背面に配置。

背面には緩やかなカーブが施され、手に馴染みやすい印象だった。

ファーウェイ「Honor 6 Plus」

昨年、6インチのハイエンドモデル「Ascend Mate7」をSIMフリーで発売するなど、キャリアよりもMVNO市場を重視する姿勢を強めているファーウェイ。MWCでは新しいスマホの発表はなかったが、グローバルで展開中の最新ラインナップを一挙展示した。

日本での発売を期待したいのは、昨年12月に中国で発売したフラッグシップ「Honor 6 Plus」だ。800万画素のレンズを2つ備えた高性能カメラを搭載し、一眼レフのように絞りをコントロールして撮影することもできる。5.5型のフルHDディスプレイ、1.8GHzのオクタコアCPU、3GBのRAMを搭載するなど、ハードウェア仕様もトップクラスだ。端末名からアップルの「iPhone 6 Plus」に対抗するモデルという印象を受けるが、「Honor」は、むしろ中国市場で躍進する小米(Xiaomi)に対応するブランドと言える。日本で発売されるとしたら、端末名や一部仕様は変更になるかもしれない。

5.5型のフルHDディスプレイ、3600mAhの大容量バッテリーなど、魅力のあるスペックを備えた「Honor 6 Plus」。

8メガのデュアルカメラを搭載。フロントカメラの8メガで、高画質での自分撮りが可能。

ZTE「Blade S6」

MWCに出展していた端末メーカーの中では、1、2を争う規模のブースを構え、派手なパフォーマンスなどでも注目を集めていたZTE。昨年は、ハイエンドながら低価格の「Blade Vec 4G」を日本で発売したが、それに続くモデルとして「Blade S6」が発売される見通しだ。5型のHDディスプレイ、64ビットのオクタコアCPUを搭載するモデルで、約7.9mmという薄さも魅力。ジェスチャーでカメラを起動したり、着信を拒否できたりといった独自機能も売りとしている。

なお、5.5型のフルHDディスプレイを搭載する「Blade S6 Plus」という兄弟モデルも展示されていた。どちらのモデルも薄型で四隅に丸みを施され、背面はメタリック調にデザインされている。iPhone 6/6 Plusを意識したモデルと言っても差し支えないだろう。

早ければ今春にも日本で発売されるであろう「Blade S6」。

背面カメラは1300万画素。2色LEDのフラッシュを搭載するなど、やはりiPhone 6に似ている印象だ。

ASUS「ZenFone 2」

ASUSは、MWCでは新モデルの発表はなく、ブースでは1月に発表したZenFone 2のプロモーションを展開していた。ZenFone 2には、5.5型のHDディスプレイを搭載するモデルと、5.5型のフルHDディスプレイを搭載するモデルがあり、それぞれCPUが異なり、販売する国・地域によっても仕様に若干差がある。アメリカでのSIMフリーモデルの販売価格は199ドルからなので、かなりコストパフォーマンスに優れたモデルと言える。

ASUSは昨年日本でSIMフリーで発売したZenFone 5も好調な売れ行きを記録している。より大きな画面を求めるユーザー向けに、このZenFone 2が投入されることも期待したい。

5.5型ディスプレイを搭載する「ZenFone 2」は、仕様が異なる複数のモデルを展開。

日本でも発売されているZenFone 5と同じく背面はラウンドフォルム。高級感も増している。

freetel「Ninja」

「freetel」というブランドでSIMフリースマホを開発・販売するプラスワン・マーケティングは、今年の夏までに発売予定のWindows Phone 8.1を搭載するスマホ「Ninja」を出展していた。5型のHDディスプレイを搭載し、64ビットのクアッドコアCPUを搭載する。今年は、マウスコンピュータがWindows Phoneを発売することを発表済みで、どちらが先に発売されるかが注目される。

なお、マイクロソフトは今夏にWindows 10を正式にリリースする予定で、これから発売されるWindows Phoneが無償アップデートの対象になる可能性は高い。日本では、au(KDDI)が2011年に発売した「IS12T」以来、Windows Phoneは発売されていない。MWCでは、日本で製品をリリースをしていないメーカーを含め、多くのメーカーがWindows Phone 8.1搭載モデルや試作機を出展していた。5月からのSIMロック解除の義務化を機に、MVNO市場が拡大するのは確実。その中で、新たな選択肢として、Windows Phoneへの注目度も再び高まるかもしれない。

5型のHDディスプレイを搭載する「Ninja」。夏までの発売を予定している。

背面にはメタリック調の塗装が施されている。カメラは800万画素だ。

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村元正剛(むらもとまさかた)

iモードが始まった1999年からモバイル業界を取材し続けているITライター。編集プロダクション「ゴーズ」を率い、雑誌、Webなどにさまざまな記事を寄稿している。趣味は演劇鑑賞と中国ウォッチング。

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