BIGLOBE30周年連動企画としてお送りする「Member」。「人は誰だって組織の一員(Member)」をコンセプトに、グループなど組織に所属する一人にスポットを当ててきました。今回は「彼女たちの5周年」と題し、今年結成5周年を迎えた九州発のアイドルグループ・LinQのメンバーを通して、組織における周年というものを考えていきます。
※本取材は2016年3月に行われました。
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LinQ

組織には当然人の出入りがある。新しく入る人もいれば、去る人もいる。会社なら、新入社員が入れば、転職や退職で去る人もいる。

LinQも、卒業や脱退などで離れるメンバーがいた一方で、新しく入るメンバーがいた。結成当時からいる一期生を創業メンバーとすれば、二期生以降は途中入社。既にある程度できあがっている組織に後から入る、というのはなかなか大変だ。しかもたいていは途中加入のメンバーは数人で、既にいるメンバーの数より全然少ない(会社もそうで、同期以外の社員の方が圧倒的に多い)。

途中加入のメンバーは、結果的に組織に新たな風をもたらす存在となる。外部にいたからこその新鮮な視点が入ることで、組織はより活性化する。


伊藤麻希はLinQが結成されてから10ヶ月後の2012年2月に加入した二期生。テレビ東京のバラエティ番組「ゴッドタン」で話題になったり、プロレスに出たりと、LinQメンバーの中ではかなり個性的な活動をしている。間違いなく言えるのは、彼女は、他のメンバーがなかなか進出できない分野に乗り込んでいるということだ。

「私、ファンの方がいないところほど燃えますね。アウェイの地が好きなんですよ。他のメンバーはアウェイは苦手っていうけれど、私は誰も知らないところで歌うことに快感があって。開拓することによって実感が伴うから楽しいですね。

だから私、呼ばれたところには全部行きたいなって思うんです。私は毎日でもいいから、路上でも全然いいから、ライブをやりたい」

LinQ

知らない人に知ってもらえる実感。それはつまり、その人に自分が認知されるという実感だ。それを快感だと彼女は捉える。

もしかしたらそれは、他のメンバーと比べたときに自分が見出した価値なのかもしれない。「既にLinQを知っている人を楽しませるのは他のメンバーが十分できるんですよ」と彼女は言うが、それだけではない気がした。LinQに必要なものは、もっと、いろんな人に知ってもらう、だけではなく、知らしめること。

そんな思いもあるからか、ライブでは伊藤麻希のパフォーマンスはとにかく目を引く。

「私は人気がないから、卑屈だから、全力で"こっち見ろ"みたいなパフォーマンスをするんですよ。他のメンバーと比べてどっちがすごいか、成長しているか、目を引くかと言われたら私なんですよ。だから私はよく目を引くねと言われるんです。みんなそうでなくちゃいけないのにそういう嫉妬とか妬みで頑張っている方がパフォーマンスは向上するなって思います」

話を聞いていて、彼女は現状に甘えること、は何より嫌いな気がした。これでいいや、と満足することは、成長の余地を奪うどころか、手を抜いてしまう側面も生まれる危険性がある。

LinQに関わるスタッフから、今のLinQのメンバーについてこんな言葉を聞いた。「小忙しいから、それで小満足している」。確かに仕事が全くないわけではない。いろんな仕事が持ち込まれ、メンバーはそれをこなす。仕事が少しでもあるから、そこに危機感は生まれにくいのかもしれない。定期公演を行うベストホールだって、毎回完売、とはならないが、それなりにお客さんは毎回埋まる。

「このままでいい」「これでいいや」と思っているメンバーはいないだろう。だが、忙しいことでそこに一定の満足感を得ている、かもしれない。

LinQ

彼女の言葉を聞いていて、そのスタッフの言葉が思い浮かんだ。小忙しい。それではダメだ。もっと自分たちでレベルを上げていかないと。

ふと、思った。伊藤麻希はLinQの中では浮いている存在に見えるが、そうではなく、本当はみんなが彼女のところまで浮いてこなければならないのでは。

「そうなんですよ!なじみすぎているんです。
私は、もっとはじけていいんじゃないかなって思うんですよ。まあでもそれ(はじけすぎない)がLinQだから、とずっと思ってきたのですが、でもみんなと協調した中でどう自分を目立たせるかというのは最近考えるようになりましたね」


組織にはたいてい意見の対立が存在する。それが多数派なのか少数派なのかで大きく変わる。過激な意見を言う人もいる。そういう人はたいてい組織では少数派になり、ときには無視される。

ただ、それが「わけのわからないことを言う」になるのか、「耳が痛いことを言う」なのか、で大きく異なる。耳が痛い、ということは、自分に思い当たることがあるし、でも指摘されたくないことを他人にはっきり言われたときに使う表現だ。

伊藤麻希の考えはおそらくLinQの中では少数派なのだと思う。ただ、それを「意味がわからない」と全く無視するのか、「耳が痛い」と思うのか、そこからさらに進んでそこに流れているものをくみ取るのか、によって全く異なる。例えば「こんなパフォーマンスをしたい」と言ったときにそれが突拍子がないものだったとしても「つまりそういうことをして盛り上げなきゃってことなんだな」と考えられるかどうか。

今のLinQという組織において、伊藤麻希の言葉は、どんな存在なんだろう。

LinQ

最後に、ファンの人に伝えたいことはありますか?インタビューではありがちな質問に、彼女はしばらく考え込んだ。

「うーん...

そのままでいいです。今のままで、そのまま楽しんでいれば大丈夫。(将来を)悲観する必要もないです。

もちろんこれからどうしていくのか、とかは私たちは命かかっているので考えますけれど、ファンの人は何より楽しんでいただければ。だって皆さんはお金を払って見ている側なのだから。純粋に楽しんで、自分の好きな人だけを追いかけて、何よりその子を応援していただければ」

元々芸能というものは、演者が客からお金をいただいて、その分パフォーマンスをお見せする、というものだ。舞台だって、音楽だって、そうだ。アイドルだって、基本的な構図はそうだ。お金を払ってチケットを買っていただいた客に対して、パフォーマンスでお返しする。

ただ、昔と違って握手会などで実際に会え、話せる存在になった。アイドルは身近な存在になった。ファンはその分楽しさも増えたけれど、そもそもアイドルなりタレントは手の届かない存在であり、ファンはその人を好きになり、会おうが会えまいが純粋に応援する、そんな関係だ。

身近な存在でなくても追いかけたくなるアイドルを目指さないとダメ。伊藤麻希はきっとそこを目指している。そして、もがいている。

LinQ

取材の最後に、LinQがパフォーマンスで伊藤ちゃんが目立たないグループになればいいんですけれどね、と言うと、彼女は笑ってこう言った。

「でも、そうなると私はイヤなので、フィールドを変えるんですよ」

自分のフィールドに他の人が入ってきたら、それはもう彼女のフィールドではない。他にもいるのだから。

そうと気づけば彼女はまた他の人ができないことを探し、切り開く。
伊藤麻希は、常に未知の領域を探し続ける。

本人が意図しているのかどうかは本人のみぞ知るところだが、間違いなく言えるのは、それによってLinQというグループの可能性はますます広がる、ということだ。

それは、いわば起業人の姿だ。自分がチャンスがあると思い立ち上げたジャンルに、類似企業が参入したら自分の役目は終わり。なぜなら、後継がいるということだから。自分以外にも担う人がいるわけだから。

これからも彼女はLinQのジャンルを次々と開拓していくのだろう。


前に述べたスタッフは最後にこんなことを言っていた。
「こんなもんじゃないはずだろこのメンバーなら、って思います」。

それはどこか、伊藤麻希の言葉と重なった。


***
この原稿を書いた後、彼女が本格的にプロレスデビューを目指すというニュースが入ってきた。ああ、彼女はやっぱり伊藤麻希だな、と思った。

LinQ

>>続いてなかなかチャンスに恵まれなかったメンバーがつかんだもの

BIGLOBE 30周年記念特設サイト

おかげさまでBIGLOBEは30周年を迎えることができました。
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その他特別企画が続々登場!

http://www.biglobe.ne.jp/30years/

DVDリリース情報

LinQ 5周年祭「うちらのどんたQ~博多名物になりたいっちゃん!~」

LinQ

発売日:2016年8月24日
価格:4,800円(税別)
品番:TCED-3196

結成5年を迎え5月5日(木)にZepp Fukuokaにて開催された5周年記念LIVEがDVD化。
全27曲を収録し、約1時間を超えるメイキング映像を特典として収録した2枚組でリリース!

【DVD2枚組仕様】2016年/日本/カラー/本編約163分+映像特典約63分/16:9LB/片面1層/音声:リニアPCM2.0chステレオ/字幕:なし/2枚組
※仕様は変更となる場合がございます。

発売元:ジョブ・ネット
販売元:TCエンタテインメント

映画「みんな好いとうと♪」

LinQ

九州から世界をめざすアイドル・LinQ主演。オール福岡ロケ!笑って、泣いて、みんながハッピーになる青春エンターテインメント!

福岡県、福岡市、また地元企業の協力のもと九州オールロケを敢行!
豪華版には未公開映像満載の特典ディスクを収録。さらに初回生産限特典生写真セットを封入!

発売日:2016年8月24日
価格:
Blu-ray バリバリ豪華やけん版 5,800円(税別)
DVD バリバリ豪華やけん版 4,800円(税別)
DVD 通常版 2,980円(税別)

品番:TCBD-0566
発売元:「みんな好いとうと♪」 製作委員会

「みんな好いとうと♪」公式サイト

CDリリース情報

「ふるさとジャポン」
2016年9月28日発売

LinQ

テレビ東京系アニメ「妖怪ウォッチ」 エンディングテーマ
ニンテンドー3DSソフト「妖怪ウォッチ スシ / テンプラ」エンディングテーマ


◇「LinQ」ver. 4形態
☆スペシャル初回特典:「LinQ生写真(仮)」
※10種の内、1種ランダム封入

LinQ ver.①

LinQ

CD ONLY AVCD-55131 ¥1,000(税込)

LinQ ver.②

LinQ

CD ONLY AVCD-55132 ¥1,000(税込)

LinQ ver.③

LinQ

CD ONLY AVCD-55133 ¥1,000(税込)

LinQ ver.④

LinQ

CD ONLY AVCD-55134 ¥1,000(税込)


◇「妖怪ウォッチ」ver. 2形態
●「妖怪ウォッチ」ver.① CD+DVD AVCD-55129/B  ¥1,800(税込み)
●「妖怪ウォッチ」ver.② CD ONLY AVCD-55130 ¥1,000(税込み)

☆スペシャル初回特典①:「スペシャル生写真(仮)」
☆スペシャル初回特典② :S級レア妖怪が手にはいるかもしれない!?「5つ星コイン」が手に入るQRコード封入!!

ピックアップ

編集長有本

2014年10月から新編集長に。かつてBIGLOBE MUSICを担当していた経験を活かし、よりエンジョイ!でウェッサイ!!なマガジンを目指していきます。

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