動きの早いものをiPhoneで写真に収めたいとき、みなさんならどうしますか? 標準のカメラアプリの「連射機能」を思い浮かべる方は多いと思いますが、筆者の場合は違った方法で撮影します。標準のカメラアプリについている、あのモードです。
ということで今回は、連写よりも確実にベストショットを収めるテクニックをご紹介いたします。
スローで撮って、画面キャプチャで静止画にする
はい、もう答えを言ってしまいましたが、正解は、標準カメラアプリの「スロー」モードを使うことです。連写機能も確かに便利なのですが、スローモードで撮影するほうがはるかにおすすめです。理由はのちほどご説明するとして、まずはその方法をお見せしましょう。
実際にやってみよう
水しぶきのかっこいい写真を撮るために、水を張った器とボールを用意し、水面にボールが落下する瞬間の画像を作り上げたいと思います。
まずは、スローで撮影する
- カメラをスローモードにする
- 赤いボタンで撮影開始
- 赤いボタンで撮影終了
これで、まずスロー動画が作成されます。
スローから静止画を切り出そう
1.カメラロールに保存されたスロー動画を開いて再生する。
2.ベストだと思うところで、一時停止をする。
このとき、再生バーを動かすことでコマ送りの微調整ができますので、よりよいベストショットを探してバーを左右に動かしてみてください。
3.ベストなコマを見つけたら、画面のボタン以外の箇所をタップする(すると、カメラロール内のメニューが消えます)
4.その状態でスクリーンショットを撮ります。
はい、すると以下のようにスローの動画から1枚の写真を切り出すことができました!
どうですか、この躍動感!
溢れ出た水が手前に飛び出してきていまにもこちらへ流れてきそうです。上にめがけて飛び上がった水しぶきには、キラキラと太陽の光が反射し、自分でも出来過ぎなくらいにかっこいい写真を撮ることができました。これは大満足です。
画質の心配は? 連写と比較してみた
動画を切り出すと、切り出した画像の画質が心配になりますよね。そこで、連写で撮影した画像とスローから切り出した画像を比較してみましょう。
どうでしょうか? 画面上では全然見分けがつかないですよね。
iPhoneでは、動画および写真での撮影画角が上記のように異なりますが、その特徴を知らなければ、どちらがスローでどちらが連写で撮ったものか、正直判断がつかないレベルと言えます。
ファイルとしては、数値的にどんな違いが?
ちなみにファイルとしてみたときに、数値的にはどんな違いがあるのかも比較をしてみました。
ピクセル(ヨコ x タテ)画像のファイルサイズ
スローから切り出した画像 | 640x1136px | 1.3MB |
写真として撮影した画像 | 3024x4032px | 2.2MB |
数値的には、スクリーンショットで撮った分、スローからの切り出し画像はピクセル数が劣り、その分ファイルサイズも小さい、ということがわかりました。
しかしながら、印刷などをしない限り、SNSに公開する程度のレベルであれば十分こと足りる画像サイズだと思います。
「連写」での撮影じゃ、だめなの?
ここでふと疑問が出ると思います。連写のほうが画質がキレイなら、「連写」モードで撮影したほうがいいんじゃない?と。
ですが、それはおすすめしません。なぜかというと、「スロー」と「連写」では、1秒間の撮影コマ数に雲泥の差があり、ベストショットを得られる確率が「スロー」のほうが絶対的に高いためです。
どれだけ違うかと言いますと、その差は12倍!
撮影モード1秒間の撮影コマ数
スロー | 120(※) |
連写 | 10 |
スローモードでの撮影は1秒間に120コマも撮影してくれているのです!
※設定により、240コマに変更することも可能です。
ベストショット割合がどれくらい違うか比較してみた
まずは、連写で撮影したベストショットの前後2コマずつを見てみましょう。
はい、実際のところ、前後2枚ずつともに全然使い物になりませんでした。実のところは、止むを得ずこの一枚を選ぶしかなかったのです。
一方、スローで撮影したベストショットの前後2枚ずつをみてみましょう。
この通り、実際のところ、どれを選んでも「連写」でのベストに余裕で勝るショットばかりなのです。
このように、撮影できるコマ数の密度の高さに差があるため、スローモードで撮影しておけば、ほぼ間違いなくベストショットを抑えることができるのです。
スローモードのおすすめ設定
ちなみに、筆者の端末・iPhone SEでは、スローの撮影時の撮影レートを2種類から選ぶことができます。
「設定 > カメラ > スローモーション撮影」と進むと以下の2つの選択肢が現れます。
- 1080p / 120fps
- 720p / 240fps
なんのこっちゃ?と感じる方のために、簡単に解説すると、スラッシュより手前の数値が「画質」、後の数値が「コマ数」です。
つまり、それぞれ以下のようになります。
モード画質1秒間の撮影コマ数
A | 1080p/120fps | 1080p | 120 |
B | 720p/240fps | 720p | 240 |
筆者のおすすめは「A」です。Aのほうが画質が高い反面、1秒間の撮影コマ数は少なくなってしまいます。しかしながら、1秒間に120枚も撮影してくれれば、ベストショットを収められるのは、上述のベストショットの前後2コマずつでおわかりいただけたと思います。となると、画質のきれいさを優先したほうが得策と考えられます。
切り出し終えたら、スロー動画は削除しよう
1秒間に120枚のカットを撮影しているスロー動画。それゆえ1つの動画のファイルサイズも莫大です。このスロー動画をたくさん撮影していくと、iPhoneの容量不足街道まっしぐらです。ですので、ベストショットの切り出しが完了したら、元のスローの動画は削除するようにクセをつけましょうね。
ということで、ベストショットの質をさらにあげられるiPhoneのカメラテクニックでした。標準のカメラアプリですぐに利用できますので、ぜひとびきりのベストショットを見つけてみてくださいね。