「GAFA」ってよく聞くけど、なぜ話題になっているの?

最近、ニュースでよく「GAFA」という言葉を聞きます。でもGAFA(ガーファ)って何なのか、なぜよく話題になっているのか、よくわからない人も多いのでは? そこで「GAFA」とは何か、なぜ話題になっているのかをご説明します。

GAFAという言葉を最近よく聞くけど、よくわからない……という方も多いのではないでしょうか。
この言葉、いったい何を指しているのでしょうか?
GAFAとは、アメリカの代表的なIT企業4社のことです。GはGoogle、AはApple、FはFacebook、AはAmazon。各社の頭文字を取って「GAFA(ガーファ)」という言葉が作られました。

GAFAは社会のインフラとなっている

GAFAはいずれもアメリカの企業ですが、すでにアメリカだけでなく世界中で広く使われており、生活に欠かせない存在になっています。
この4社はただ企業規模が大きいだけではなく、プラットフォームを提供しているという共通点があります。プラットフォームとは、商品、サービス、コンテンツなどを集めてやり取りできる場所や環境のことです。
GAFAの4社は、それぞれ自社の主力商品やサービスの周りで、他社がビジネスを行える場所を提供しています。
具体的には何を提供しているのでしょうか? 各社の主力サービスと、プラットフォームビジネスを解説します。

Google

Googleの代表的なサービスは検索エンジンです。さらにGoogleサービス全般のアカウントとしても使えるGmail、スマートフォンのOSであるAndroid、動画配信サービスのYouTube、インターネット広告のGoogle AdSenseなども提供しており、いずれも多くのユーザーを獲得しています。

Apple

Appleと言えばiPhoneやiPad、Apple Watch、MacBookですが、そのOSやアプリケーション、クラウドサービスのiCloudも自社で手掛けています。アプリを配信するプラットフォームであるApp Storeなども提供しており、他社のサービスの市場にもなっています。

Facebook

Facebookは世界最大のSNSです。FacebookやMessengerだけでなく、Instagramなどのサービスも提供しています。実名利用が基本なのでビジネスアカウントや広告の出稿も多く、利用の幅が拡大中です。

Amazon

Amazonの主力事業は、インターネット通販のAmazonです。自社だけでなく、マーケットプレイスでは他社にも市場を提供しています。また、クラウドサービスのAWS(Amazon Web Services)は世界一のシェアで、世界中の企業のインフラとして利用されています。

なぜニュースで話題になっているのか

GAFAはなぜ最近ニュースに取り上げられているのでしょうか。
それは、この4つの会社がインターネットやIT業界の中で巨大になりすぎ、そのためにいくつもの問題が発生してきたからです。 

市場を寡占化している

GAFAはプラットフォームとして他社にも取り引きの環境を提供することで、さらにユーザーを増やし、より大きくなるのです。それはさらに多くのユーザーや取引企業を呼び込みますが、市場を寡占化して他社の参入を排除することにもつながります。

ビッグデータを独占する危険

GAFAはユーザーの膨大な情報を持っています。個人情報、検索ワード、どんな広告を見たのか、どんなアプリや本を買ったのか。これらの情報はビッグデータとして分析され、GAFAの製品やサービスに活用されます。
しかしこれらのデータは他社には提供されないので、GAFAの優位性が高まるばかりです。

取引国への納税額が少ない

GAFAは世界中で取引を行っています。そのため、実際に取引を行っている場所ではなく、タックスヘイブンと呼ばれる税率の低い国を利用して節税したり、すべての利益を本社で獲得したりすることも多いです。
しかしこれは、日本など本社がなくても取引が多く行われている国には税金があまり支払われないということにつながります。そこで、本社ではなく取引実態のある国への課税が求められているのです。
そこで欧米や日本では、さまざまな対策を行ってこれらの問題に対処しようとしています。シェアの拡大には独占禁止法の適用が検討され、ビッグデータについては「官民データ活用推進基本法」(日本)、「EU一般データ保護規則(EU)、などの法律が成立しています。また課税についてはフランスではデジタル課税が可決されましたが、アメリカから強く反対されるなど課題も残っています。現在、OECD(経済協力開発機構)が国際的なルールをまとめようとしているところです。
GAFAってなんなのか、なぜ今話題になっているのか、おわかりいただけたでしょうか?
スマホやインターネットに触れているなら、GAFAの4社に関わらずに生活している人はほとんどいません。実は、ビジネスやITニュースだけでなく、私たちの生活にも身近な話題なのです。

関連記事

iTunesがなくなる? 心配しなくても大丈夫な理由とは
Facebook Liteなら、もっと気軽にFacebookできる!
Amazonプライムの年会費が値上げ?それでもお得な4つの理由

成瀬京子

WebマーケティングやAIを主に扱うIT専門ライターです。ガラケー時代からの携帯・ガジェットマニアですが、なぜか仕事になりにくいのが悩みです。