データベースとしても優秀なエクセル。2007バージョンからは、行数がそれまでの6万5536行から104万8576行に増え、大量のデータを扱えるようになりました。でも、困るのがその中から探しものをするときです。人間なら、「ほら……なんて言ったっけ……ユンピョウみたいな名前の動物……」ときかれれば「ああ、ユキヒョウですね」と察しがつきますが、PC相手にはそうもいきません。
このようなうろ覚えのものを探すのに便利なのが「ワイルドカード」です。「ワイルドカード」とは一体何でしょうか。どのように使うのでしょうか。
ワイルドカードとは?
ワイルドカードとは、もともとトランプなどで、どんなカードの代わりとしても使えるカードのことで、基本的にはジョーカーが使われます。
それと同じで、エクセルのワイルドカードは、どんな文字列の代わりとしても使える特殊な文字のことを指します。ワイルドカードには次のような文字があります。なお、本文中ではすべて全角で表現していますが、実際には半角を使います。
文字 | 読み | 意味 |
---|---|---|
* | アスタリスク | 一文字で何文字分(0文字も含む)もの不明な文字の代わりをする |
? | クエスチョンマーク | 一文字で不明な一文字の代わりをする |
~ | ティルダ | 上記ワイルドカードを文字列として検索したいときに使う |
とはいえ、どのように使えばよいのでしょうか?
実際に使ってみよう
「ナカ」ではじまる人を探す
次のような名簿の「フリガナ」の中から「ナカなんとか」さんを見つけてみましょう。
まず、名簿からデータを抽出して探しやすくするために、[オートフィルター]を設定しましょう。表の中であればどこでもいいのでクリックし、[データ]タブの[フィルター]をクリックします。
すると、それぞれの項目に[▼]が表示されます。
「フリガナ」の[▼]をクリックし、[テキストフィルター]のテキストボックス内に「ナカ*」と入力し[OK]をクリックしましょう。
「フリガナ」が「ナカ」ではじまる人が抽出されました。この中から「ナカなんとかさん」を探せば良いので、抽出前の膨大なデータから探すより見つけやすくなりました。
「ナカ」を含む人を探す
次に「名前の中に『ナカ』が入っているのは確かなんだけど……」という、もっとあいまいな人名を探したいと思います。
そのような場合は「*ナカ*」を使います。これで「不明の文字」+「ナカ」+「不明な文字」を探せます。
「ナカ」が「フリガナ」に含まれている人を見つけることができました。
「ナカ」にの前につく文字数がわかっている場合は?
うろ覚えでも「んんナカ」さん、など、文字が何文字続くかだけはわかっていることもあるでしょう。そんなときこそワイルドカード文字「?」の出番です。
例えば、「ヤスナカ」「タケナカ」などを探したいときには「??ナカ*」と検索します。なお、「ナカ」に続けて「*」を入力するのは、「フリガナ」のデータが姓だけでなく名を含んでいるからです。
タケナカさん、ハマナカさんなど、無事に「●●ナカ」さんを抽出することができましたね。
「*」や「?」そのものを検索できる「~」
最後に、別の表を使って、ワイルドカードである「*」や「?」の含まれている行を抽出してみましょう。それには「~」を使います。
先ほどと同じように、表に[オートフィルター]を設定し、「不明の文字」+「*」+「不明の文字」を検索する「*~**」を入力して、[OK]をクリックします。
図解すると次のようになります。
「*」の含まれるすべての行が抽出されました。
ワイルドカードを使いこなせば、うろ覚えでも安心
いかがだったでしょうか。わからない文字を含む検索も、ワイルドカードと呼ばれる特殊文字を使えば簡単にこなせる、ということがおわかりいただけたのではないかと思います。
ぜひ、使ってみてくださいね。
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