必要だけど購入にはあまりお金はかけたくない。そんなときの頼れる味方といえば100円ショップ(100均)ですよね。
一昔前までの商品も「100円クオリティ」と納得できるものがほとんど。しかし最近ではスマートフォンのアクセサリーや周辺機器など「100円で買えちゃっていいの?」と思わず言いたくなるものも多く目にします。
今回はそんな100円ショップで購入できるスマホグッズから8ジャンル、計9商品を実際に購入し試してみました。筆者自身「100円ショップを完全に舐めていた……」と驚いたその内容、ぜひ参考にどうぞ。
8ジャンル、計9つのグッズを試す!
今回購入して試した商品はぜんぶで9つ。ジャンルで分けると次の8つに分類できます。
- 充電ケーブル
- 変換アダプタ
- モバイルバッテリー
- スマホスタンド
- スマホケース
- 落下防止リング
- 画面保護フィルム
- 画面クリーナー
購入は筆者宅の最寄りにあった、異なる3店舗(3社)を利用。とくに言及のない限り、各商品とも購入価格は100円(税別)です。
それでは早速見ていきましょう!
充電ケーブル
まずは充電ケーブルから。店頭には10種類以上の商品が陳列されていましたが、そのうち2つを選んでみました。
ひとつめはキーホルダーとして携帯できる充電ケーブル。
USB Type-A(PC接続用)コネクタとMicro USB Type-B(スマホ接続用)コネクタをキャップに差し込むとキーホルダーに変身します。
キーホルダー用のキャップやUSBコネクタ部の素材がプラスチックな点はチープ感あり。しかし触ってみても部品の組み立てなどはしっかりしています。
キーボルダー用のキャップを装着する際にも「カチッ」と音が鳴り、しっかり留めることができました。
肝心のケーブルとしての使い勝手も及第点。フラットケーブル(平麺とも呼ばれる平らな形状)であること、ケーブルの長さがやや短めであることに注意して用途を選べば、充電にも通信にも使用できました。
ふたつめは最新スマホで搭載製品が増えている、USB Type-C規格(裏表なく使えるUSB端子)対応の充電ケーブル。
“ただカラフルなケーブル”ではなく、ロングブッシュ設計と呼ばれる、ケーブルとコネクタの付け根に力を加えてもちぎれにくい設計のものです。
実際少しいじわるをして無理に力を加えてみましたが、簡単に折れてしまうような様子はありませんでした。
通信と充電に使ってみても、使用中に異音がしたり、変に熱を帯びたり・・・といったことはありませんでした。
コネクタ側の加工(成形後)にやや粗さはありましたが、細かな見た目を気にしなければ、実用できるレベルと言えるのでは。
今回紹介した充電ケーブルのほかにも、100円ショップでは「フラットケーブルタイプ」「リールケーブルタイプ」など様々なバリエーションを見つけられました。
“ただ使えるシンプルな充電ケーブル”でなはく、使い勝手も意識された設計。これが100円で購入できるとは……。
日常でよく使うことを想定した場合にも、100円ショップの充電ケーブルは意外とよくできているのでは?と感じました。
変換アダプタ
スマホを機種変更した際に役立つこと間違いなし!な変換アダプタも100円ショップで購入できます。
充電ケーブルに比べると商品サイズは小さく、デザインも無駄を省いたシンプルなもの。クセがなく、選びやすいですね。
早速Micro USB Type-Bコネクタに継ぎ足す形で装着。
気になるグラつきや緩さもなく、スマホにもしっかりつながりました。充電もいつもどおりおこなえました。
今回紹介したものはMicro USB Type-BコネクタをUSB Type-Cコネクタに変換するものですが、これ以外にiPhoneなどで使われているLightningコネクタに変換できる商品も販売されていました。
変換アダプタ自体が小さな製品ですので、紛失には気をつけたいところです。
まあ仮に失くしてしまっても、100円で買い直すことができるんですけどね(笑)
モバイルバッテリー
続いてはモバイルバッテリー。「え、モバイルバッテリーも買えるの!?」と正直筆者自身も驚きましたが、売っているんです。ただし金額は300円でした。
外装はツヤツヤとしたプラスチック製で、見た目は安っぽい印象。とはいえ300円ですから、きちんと使えるのであれば十分です。
バッテリー容量は2,000mAhと小さめ。数値的にはiPhone 8/iPhone 7などが約1回フル充電できる大きさです。
スマホをつなぎ充電をはじめると、モバイルバッテリー内部に搭載されたランプが点灯。「充電中」「モバイルバッテリーの残量切れ」などは見た目でわかります。ランプの透け方は正直おしゃれではないです(苦笑)。
肝心の充電機能については、スマホへの給電時、コンセントからの充電時、ともにやや時間がかかる印象。
同程度の容量を備えるモバイルバッテリーを数千円で購入すれば、モバイルバッテリー自体の充電は1~2時間もあればできるはず。でもこのモバイルバッテリーでは3時間ほどかかりました。
一方で使用中に異音がしたり、変に熱を帯びてしまうことはナシ。
筆者個人としては、少なくとも日常でよく使うモバイルバッテリーはお金をケチらず購入するほうがよいと考えています。
が、今回紹介した商品も、たとえば長期間の旅行時「モバイルバッテリーを持ってくるの忘れちゃった……」なんて場合に、旅先で購入して旅行期間中お世話になるのはアリかな、と思います。
100円ショップでもモバイルバッテリーが売っていると知っておけば、いつか役立つかもしれませんね。
スマホスタンド
外出先でもスマホで動画を楽しむ人に欠かせないものといえば、スマホスタンド。
100円ショップでもいくつか取扱いがあり、今回はカード型のものを購入。持ち歩く際はカード状にしてスリムに、使うときは組み立てて、というコンセプトです。
「財布にも収納可能」と書いてありましたが、一般的なICカード・ポイントカードと比べると幅はやや大きめ。財布によってはカードポケットに収まらない可能性もありそうです。
一方でスタンドとしての使い方は簡単。組立時に折り曲げる場所には山折り/谷折りするための凹凸が付いており、一度理解すれば、組み立ても片付けもあっという間。
今回はケースを着けたiPhone 8を乗せてみましたが、スタンドとしてしっかり安定します。
商品自体がプラスチック製であり、経年劣化しやすいであろう点は少し気になりました。とはいえ、たとえば壊れても100円で買い直しOK。
割り切れるのであれば、試してみる価値アリな商品でしょう。
スマホケース
100円ショップではスマホケースも売っています。取扱いされているのは主に「現行のiPhoneシリーズ」向け製品。参考までに2018年1月時点において、販売されていた商品は以下モデル向けのものでした。
- iPhone 8
- iPhone 8 Plus
- iPhone 7
- iPhone 7 Plus
- iPhone 6s
- iPhone 6s Plus
- iPhone 6
- iPhone 6 Plus
- iPhone SE
- iPhone 5s
- iPhone 5
今回はiPhone 8で使える、透明でソフトタイプのものをチョイス。角の部分に厚みを持たせてあり、内側(iPhoneの背面と接する面)には密着による気泡発生を防ぐための突起も。
iPhone 8に装着してみて驚いたのは素材の硬さ・サイズ設計が抜群であったこと。これ完全に「100円クオリティ」とバカにできない仕上がりです。
気になったことといえば、細部のつくりに粗さが残っていること。
下の写真はiPhone下面のスピーカー、マイク、Lightning端子部用に設けられた開口を撮影したものですが、よく見ると左右の開口部はやや斜めに切り抜かれています(赤線箇所)。
また電源ボタンなども、ケースの上からだとやや押しづらい印象がこのあたりはまだ今後改善の余地あり、といったところでしょう。
ただしパッと見に同じようなシンプルデザインのケースが家電量販店では1,000円以上の金額で販売されています。
「iPhoneユーザー」「安さ重視」「一定以上の装着性と保護機能が細かいことは気にしない」なんて人はぜひ、100円ショップのスマホケースも一度試してみるとよいですよ。
落下防止リング
大切なスマホを落下事故から守ってくれる落下防止リングも100円ショップに売っていました。
注意書きに「スマホに直接貼ると塗装が剥がれてしまう恐れあり」とあったので、今回は先ほど試したケースに貼り付けて試すことに。
粘着部は両面テープでなく、ジェルシートタイプ。粘着の強さが気になりましたが、ケースの内側から覗いてみると思いのほかしっかり密着。数カ所小さく気泡が残るレベルでした。
リングは360度回転可能で、使いやすい角度に変えられます。粘着の強度についても、数時間試した中で簡単に外れてみまうことはナシ。リングに指を通してぶら下げてみても、粘着はしっかり耐えていました。
もちろんスマホスタンドとしての使用もOK。
スマホの破損を予防するアイテムであり、できれば強粘着の製品を選ぶべきだとは思います。しかし初回の貼り付けに限っては100円ショップの商品でも、わりとしっかりくっつく印象。
雑に扱わないよう配慮して使えば、意外と長いこと使えるかもしれません。
ただし粘着部は貼り付けた後に一度剥がしてしまうと、二回目以降の粘着力が大きく低下します。
貼り付け位置を変えたい場合は、おとなしく買い換えることがオススメです。
画面保護フィルム
ケース同様、現行のiPhoneシリーズに限られますが、画面保護フィルムも100円ショップで購入できます。しかもPET製のペラペラとしたフィルムだけでなく、最近ではガラス製のフィルムも(!)。
パッケージにはガラスフィルム、貼り付け時に使う画面クリーナーとゴミ取りシールの3点が入っていました。家電量販店などで購入できる商品と大きく変わりませんね。
早速貼り付け。不自然な色味もなく、見た目はいたって普通。端の部分に浮いている箇所もなく、指ざわりも良好です。
ガラスフィルムは「位置を決めてスマホの画面上に置けば、ガラスの重みで自然と貼り付き空気も抜けていく」もの。この点は100円ショップのガラスフィルムも同じです。
購入時に気をつけたいポイントは前面全体を保護する設計のものはほとんどないということ。今回試したガラスフィルムが張り付いているエリアは下の写真の赤枠部分までです。
前面全体を保護できるガラスフィルムが100円ショップに陳列されるのも時間の問題である気はしますが、見た目を気にするのであれば「どこまで保護できる製品なのか」を購入前にきちんと確認しましょう。
それと位置がズレて貼り直す場合には、ガラスを剥がすときに割ってしまわないよう、注意が必要です。今回は試用を終えて取り外すときでしたが、端の方が意外と簡単に割れてしまいました。
ガラスという素材自体の質については、家電量販店で購入できる商品との差はまだ大きいように感じました。
画面クリーナー
最後に試したのは画面クリーナー。ウェットタイプの使い捨て製品。10回分(10袋)が個装され100円です。
個装はプラパックでしっかりしており、未使用のクリーナーが乾いてしまう心配は不要。バッグや財布にも忍ばせやすいですね。
クリーナーはやや固めの紙をエタノールに浸したもの。大きさはB6用紙くらいでしょうか。気になるレベルでの強いエタノール臭はありません。
画面を拭いてみると汚れはしっかり落とせました。エタノールもあっという間に揮発し、あとから乾拭きする必要もナシ。
クリーナー自体は個装から取り出し1度(スマホ1画面分)使えば、ほとんど乾いてしまいます。1枚で1画面、がんばって2画面拭ける程度と考えると、毎日使う常用品というより、携帯して外出先で使い捨てるものと考えるのがよいでしょうね。
アイテム探しのコツ
今回は3つの店舗をまわり、計9アイテムを購入。この中で気がついた「100円ショップでのアイテム探しのコツ」を最後にまとめておきます。
陳列はレジそばの電気製品コーナー
スマホ関連のアクセサリーや周辺機器は、おもにレジそばに設けられた電気製品コーナーに陳列されています。
今回まわった3店舗(3社)では、いずれも似たような場所に陳列がされていました。
100円ショップでスマホグッズを買ってみようかなと思った人はぜひ、まずレジそばにそれらしいものが並んでいないか探してみてください。
パッケージ記載の注意書きをよく確認しよう
100円ショップの製品は価格が安い分、家電量販店で販売されている製品と比べて機能や性能を抑えた設計のものがほとんど。
スマホの周辺機器であればとくに、充電ケーブルは「スマホ側で対応している急速充電機能に非対応」など制限があることも。
そこで購入前にはパッケージ記載の注意書きによく目を通すことをオススメします。
注意書きはわりとしっかり書いてあります。中には重要な部分にマーカーがひいてある親切なものも。
「安く買えたけど欲しかった機能・性能を満たしていなかった」となれば意味のない買い物になってしまいますので、しっかり確認することが大切です。
今回あわせて9つの商品を試して感じたのは「100円ショップの商品クオリティが思いのほか高い」ということ。試したうち、筆者自身「これはもうひとつ買い足して毎日使おうかな……」と考えてしまうものもいくつかありました。
もちろん家電量販店で10倍以上の金額で販売されている商品には「もっとよい素材を使っている」「デザインが凝っている」「性能が高い」など付加価値(=高い金額が設定される理由)があります。
そのことも頭に入れ、自分が「金額」「デザイン」「品質」「機能・性能」をそれぞれどこまで求めるか。
このバランスを考える中で優先することが「金額」なのであれば、100円ショップで買えるスマホグッズはきっと役立つことでしょう。
※この記事の内容は、記事作成時点(2018年2月16日)の個人の感想です。故障や損害等の補償はいたしません。
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